そこで生まれたのが、中古車の物流改革での「UVIS」(中古車情報システム)であり、板金工場の物流改善での「VBS」(板金修理情報システム)、「NVIS」(新車情報システム)などだった。
GAZOOは、こうした販売店の各分野の情報システムサービスを総称したものである。
つまり、業務改善支援室による草の根的な改善活動が、結果としてインターネットによる情報端末を利用した自動車購入支援サービスであるGAZOOに結び付くのである。
すなわち、販売店における「ムラ」「ムリ」「ムダ」を省くためのTPSによる物流改善活動から販売店各部門業務の生産性向上のシステムが生まれ、それがインターネットの各コンテンツとしてまとめられ、GAZOOというシステムサービスになったのだ。
「最近、ITが流行語のように言われているが、トヨタのGAZOO事業そのものはIT戦略から生まれたものではない。
あくまでも、消費者志向を強めていきたいという卜ヨタの使命感から生まれたものである。
ネットの主役はコンシューマーであるということで、お客様がどうすれば喜んでくれるか、感動するのか、楽しいのかという点にアンテナを張りめぐらせた結果である」トヨタGAZOO軍団のリーダーとして、Tトヨタ自動車取締役はGAZOO事業のコンセプトを明快に語る。
GAZOO事業部の拠点は、トヨタ自動車豊田本社やトヨタ名古屋ビルとは別の、名古屋駅に隣接するインテリジェントビルのJRセントラルタワーズの四二階にある。
東京の三軒茶屋で見たVVCのスタッフと同様、平均年齢三○代前半という若い世代で構成されるGAZOO軍団は、「クルマの商売をもっと楽しく愉快なものにする道具作り」を使命とする。
奇しくも、このGAZOOと販売店業務改善支援室、VVCの動きは、表裏の流れからトヨタを変える、あるいは変えようとする社内ベンチャーとなった。
両者に共通するのは、リスクを負いながらも新たな顧客の獲得という使命感に燃えているということである。
GAZOOの最終目的はeコマース(電子商取引)ではなく、コマース・コミュニティである。
トヨタがさらなる成長を遂げるには「CRM」がカギとなり、トヨタユーザーにプラスした新たな顧客開拓へネットを活用していくことが求められる。
ネットユーザーは、気に入ったものに対してロイヤリティが高い。
本来、利便性を特徴とするネットでは、一度良質な体験をすると店を変える理由がなくなる。
気に入ってGAZOOの常連となってもらえば、トヨタ車ユーザーになってもらう可能性が高まり、顧客の特性データを収めておくこともできる。
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